四季咲きバラの夏剪定

四季咲きバラの夏剪定

  

まず最初に、改めて「夏剪定」の目的について。

 

通常、バラは5月に春の一番花が開花した後、その枝を切り戻すと約1か月半後(7月頃)に二番花が咲きます。

そして、二番花を切り戻すとさらにその1か月半後くらいに、三番花が咲きます。

9月上旬は、ちょうどその三番花が咲いた後~蕾をつけているころですよね。

 

これまでは、「花が咲き終わった枝から、その枝の半分まで切り戻す」を繰り返してきましたが、このころになると枝によって開花のタイミングもだいぶずれてきているはずですし、夏の暑さで花も小さくなってると思います。 

 

そこで、9月の上旬に花が咲いている枝も、つぼみがついている枝も含め、一斉に剪定することによって、10月下旬ごろにたくさんの花を咲かせてあげましょう、という管理方法です。

これからの時期は夏の暑さも徐々に緩んで、10月下旬に開花するころには季節的にも花色がきれいに出る気候になっているので、秋バラが一番きれいな時にたくさんの花を楽しめる、ということなんです。

  

で、枝のどのあたりで剪定するかというと、品種特性や株の状態にもよりますが、ざっくりいうと”樹の高さの上から3分の1程度を剪定する”と思ってください。

  

↓↓↓今年のピンク・ビンテージの夏剪定のビフォーアフターです。 


ピンク・ビンテージはとても樹勢が強いので、”樹の高さの上から3分の1”よりも少し強めに剪定してあります。

そして、よく見ると先端にはつぼみがついている枝もありますが、それでもあえて、このタイミングで全部の枝を剪定してしまいます! 

  

それにしても長雨と猛暑を超えた直後とは思えないくらい枝数も、葉の茂り具合もすごいですよね。ピンク・ビンテージはブラウンピンクの花もきれいですが、とにかく元気で育てやすいので初心者の方にもおススメです!

   

続いては、、、

↓↓↓セラフィムの夏剪定です。


こちらは、黒星病でだいぶ下葉を落としてしまっているので、夏剪定をするとほとんど葉がなくなってしまいました、、、。

でも大丈夫です。このあとちゃんとたくさん芽吹いて、秋の開花のころにはしっかり葉が茂ってくれている、はずです。

ただし、これからもまだ台風や秋雨などで黒星病になったり、イモムシに葉を食べられたりする危険があるので、薬剤散布は定期的にしてあげた方が良いです。

 

さて、このセラフィムの株が枝が太めで、葉も落ちていて(涙)枝が見やすいので、夏剪定の細かなセオリーについて図解してみます。

 

↓↓↓オレンジ色でなぞった枝が今年の春に一番花が咲いた枝です。花後に「枝の半分で切り戻し」をした後に、黄色でなぞった二番花が咲いた枝がのびて、そのあとさらに、三番花のつぼみがついている状態なのがわかっていただけると思います。


三番花の枝で切っても秋バラは咲いてくれるのですが、三番花ともなるとちょっと枝が細いので、秋に良い花が咲いてくれません。

そこで、もう一段下にもどって二番花の咲いた枝(真ん中かやや先端に近い方の節)で切ってあげた方が、秋バラにボリュームが出ます。

  

↓↓↓ベイサルシュートから、二番花、三番花が咲いた枝も同じような考え方でよいのですが、、、


ベイサルシュートのように勢いの良い枝は、三番花の枝で切っても(下の方なら)十分太くて充実した枝になっているので、➀のあたりで剪定してあげても大丈夫です。

または、樹全体のバランス(高さ)をそろえるために②で剪定してあげるのもOKです。(今回は最終的に②で剪定をしました)

    

他にも、夏剪定のビフォーアフターの画像を張り付けておくので、剪定のイメージを頭に入れておいていただけるとよいと思います。

 

↓↓↓6月に開花苗を植え付けたジュール・ヴェルヌ。植え付け時のブログはこちら


  

↓↓↓夏剪定後はこちら

 

それにしてもこの株、黒星病一つ出ていないので、やはりロサ・オリエンティス・プログレシオは耐病性がとても強いですね。。

 

↓↓↓こちらも6月に新苗を植え付けたリュバン。その時のブログはこちら


↓↓↓夏剪定後の姿。


こちらは新苗からだったこと、植え付けが遅かったこと、それほど樹勢の強い品種ではないことなどから、他の品種と比べてちょっとボリュームが少なめですが、、来年の春以降はもっとぐんぐん育ってくれることと思います。

そして、剪定が終わったら必ず施肥を。

これから再度枝葉を伸ばして花を咲かせるための肥料になります。

  

肥料はいつもの「花ごころバラの肥料」が使いやすくてオススメです!

施肥量は袋の裏書きの、「追肥」の量に準じて与えてください。

   

どうでしょうか?

夏剪定のセオリー、イメージはできましたか?

バラ栽培には絶対的な正解、不正解があるわけではないので、肩の力を抜いていろいろチャレンジしてみてください。

↓↓↓ 剪定時に良く咲いていたサント・ノーレ


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