バラの病害虫と対策

アブラムシうどん粉病バラゾウムシ黒星病チュウレンジハバチハダニコガネムシ
ヨトウ虫カミキリ虫カイガラムシ

アブラムシ

若葉や新芽に群がる緑の虫は「アブラムシ」です。

新芽や若葉の裏をよ~く見ると、小さな緑色の虫が付いていることがあります。
群がって葉や茎の樹液を吸うため、養分が吸われて葉や芽が縮れたり、しおれたりします。

発生しやすい時期

発生しやすい時期:表

春から秋にかけて、バラのシーズン中は注意が必要です。

予防と治療

3月初旬から、月に1回「オルトラン」もしくは「オルトランDX粒剤」などの殺虫剤を散布して予防します。1つの薬品を使い続けると耐性ができて、効果が低下する場合があるので、「スミチオン乳剤」と交互に使うことをオススメします。
散布には、風の強い日(薬品が飛散するため)と気温が高い時間帯(薬害が出やすくなるため)は避けます。

発生しているのを見つけた場合は、すぐに取り除きましょう。ガムテープでペタペタするか、ハケで払えば簡単に取ることができます。

もし、バラの本数が10本以下ならスプレー剤が簡単です。「ベニカXファインスプレー」と「アタックワンAL」を交互に使いましょう。

うどん粉病

葉、茎、つぼみに白い粉がふいたら「うどん粉病」です。

葉や茎のやわらかい部分が、白い粉をふいたような状態になります。胞子が飛んで空気感染するので、
周りのバラや植物にもどんどん広がってしまいます。
「うどん粉病」でバラが枯れることは滅多にありませんが、生育が悪くなり、花もキレイに咲かなくなってしまいます。

発生しやすい時期

発生しやすい時期:表

気温がグンと上がる真夏や、気温が下がる冬には発生しにくいですが、それ以外の時期には注意が必要です。
日当たりや風通しの悪い場所は、特に発生しやすくなります。

予防と治療

若葉が出始める3月初~中旬から「バラの活力液」を使って予防しましょう。銀イオンの殺菌効果で、バラの葉を健全に保ちます。
夕方、葉の裏に吹き付けるのがポイントです。発生前は週3回以上を目安に、こまめに散布すると効果的です。

毎年うどん粉病が出やすかったり、発生してしまった場合は「ハッパ乳剤」と「ベンレート水和剤」を交互に散布します。1つの薬品を使い続けると耐性ができて、効果が低下する場合があるので、2つの薬品をローテーション散布することをオススメします。
散布には、風の強い日(薬品が飛散するため)と気温が高い時間帯(薬害が出やすくなるため)は避けます。

もし、バラの本数が10本以下ならスプレー剤が簡単です。「ベニカXファインスプレー」と「アタックワンAL」を交互に使いましょう。

バラゾウムシ

新芽やツボミが突然干からびたら「バラゾウムシ」の仕業。

新芽やツボミを突然しな~っとさせるのは、「バラゾウムシ」の仕業です。体長3ミリほどの、黒くて口の長い虫。
新芽やツボミに産卵し、そのあと茎をかじってツボミを落下させます。

発生しやすい時期

発生しやすい時期:表

春の開花前から初夏まで注意が必要です。

予防と治療

ツボミが付く前の4月から、月に1回「スミチオン」などの殺虫剤を散布して予防します。散布は、風の強い日(薬品が飛散するため)と気温が高い時間帯(薬害が出やすくなるため)は避けます。
6月半ばを過ぎると土の中で蛹化しようとするので「オルトランDX粒剤」を撒きます。

見つけた場合は、すぐに捕殺します。捕まえようとするとポロッと落ちるので、下で受け止めるようにしてください。
羽があるので飛ばさないように。産卵された新芽やツボミは切り捨てます。地面に落ちたツボミも、こまめに拾います。

黒星病(黒点病)

葉にポツポツと黒い斑点が・・・バラにつきものの「黒星病」です。

黒星病にかかった葉は、黒褐色の斑点ができ、徐々に黄色くなって最終的には落葉します。
地面に近い樹の下の方の葉から始まることが多いです。
発生条件は、20度前後の温度と雨などで長く葉が濡れた状態。糸状菌というカビの仲間の胞子が、雨の跳ね返りなどによって下葉に付くのが原因です。

黒星病で株が枯死してしまうことは滅多にありませんが、植物は葉の光合成で栄養を作りますので、葉が少なくなれば、花付きが悪くなる、花が小さくなることはあります。

発生しやすい時期

発生しやすい時期:表

雨の多くなる5月から、11月まで注意が必要です。

予防と治療

4月初旬から、月に1回薬品を散布して予防します。
1つの薬品を使い続けると耐性ができて、効果が低下する場合があるので、2つの薬品をローテーション散布することをオススメします。「サプロール乳剤」と「トップジンMゾル」を交互に散布します。梅雨、秋雨の時期は、毎週散布が必要。雨の降る前と後に散布すると効果的です。
風の強い日(薬品が飛散するため)と気温が高い時間帯(薬害が出やすくなるため)は避けます。

もし、バラの本数が10本以下ならスプレー剤が簡単です。「ベニカXファインスプレー」と「アタックワンAL」を交互に使いましょう。

雨の日はバラの鉢を軒下に入れたり、「ヤシマット」や「マルチングチップ」で水の跳ね返りを防ぐのも効果的です。

また、根元に落ちた葉はそのままにしないで、こまめに拾うようにしましょう。

チュウレンジハバチ

葉や花を、すごい勢いで食べるのは「チュウレンジハバチ」の幼虫

葉や花をよ~く観察してください。一心不乱に食べ続けているのは「チュウレンジハバチ」の幼虫です。
葉の表面に黒い粒粒が付いていたら、それは葉をモリモリと食べた幼虫の糞。
一匹いると、他にも兄弟がいるはず。葉の裏を注意深くチェックしてください。
とにかく食欲旺盛で、1日で丸坊主にしてしまうこともあります。

チュウレンジハバチの成虫は、初夏頃から見かけるようになります。この頃、成虫はバラの枝に卵を産み付けに来ています。バラの枝に2,3センチのパックリ割れた後があれば、それは産卵跡です。

発生しやすい時期

発生しやすい時期:表

5月から、7月まで注意が必要です。

予防と治療

予防に「オルトラン」と「スミチオン」を散布します。卵が孵化すると、小さな幼虫が葉の裏に密生するので、薬剤散布は葉の裏側にしっかりと!
風の強い日(薬品が飛散するため)と気温が高い時間帯(薬害が出やすくなるため)は避けます。

成虫を見つけたら捕殺。やわらかい枝にとまって産卵しているときには、動かないので簡単に捕まえられます。また、産卵跡を発見したら、針や爪でつぶします。

ハダニ

葉が白くかすれた感じになっているなら「ハダニ」かも

葉に元気がなく、全体的に白っぽくなっているなら「ハダニ」かもしれません。
葉の裏をよ~く見て、黒かオレンジの小さなポツポツがあれば、それが「ハダニ」。くもの巣状に白い膜が張っていることもあります。
ハダニは葉裏について樹液を吸う虫。放っておくと落葉してしまいます。

夏の高温期に乾燥が続くと発生します。ベランダなど、雨の当たらない場所では特に発生しやすく、注意が必要です。

発生しやすい時期

発生しやすい時期:表

7月から9月まで注意が必要です。

予防と治療

予防として、乾燥を避けるため1日1回、葉裏に水を散布すると効果的です。

退治するには、「ハッパ乳剤」と「ダニ太郎」を交互に散布します。
気づいた時には大発生していることも多いため、その場合、集中して4日おきに散布し、一気に退治します。
散布は、風の強い日(薬品が飛散するため)と気温が高い時間帯(薬害が出やすくなるため)は避けます。

 

コガネムシ

ツボミや花に開いた穴の犯人は、「コガネムシ」です。

キレイなバラの香りをかごうと思ったら、そこにコガネムシが・・・しべや花弁を食べます。

また、株に元気がない場合は、土の中でコガネムシの幼虫が根っこを食べている可能性もあります。
1月~2月の植え替え時に、鉢の中から幼虫がゴロゴロ出てくることもあります。

発生しやすい時期

発生しやすい時期:表

通年注意が必要です。

予防と治療

飛んでくる成虫を減らすには「ベニカ水溶剤」を散布。花やツボミに付いている虫は、捕殺します。
また、幼虫対策には、鉢土に産卵されないよう「ヤシ繊維円盤マット」が効果的です。

理由がハッキリしないけれど、花は少ないし株に元気がないなぁという時は、枝を持って横に株を揺らしてみてください。もし株がグラつくようなら、土の中でコガネムシの幼虫が根っこを食べて、根が短くなってしまっている可能性があります。
その時には、「ダイアジノン」もしくは「オルトランDX粒剤」を土に混ぜましょう。

ヨトウムシ、ホソオビアシブトクチバ

ツボミや葉を食害するのは「ヨトウムシ」などのイモ虫類です。

朝ガーデンに出ると、一晩でツボミや花、葉が穴だらけに・・・
それは、ヨトウムシやホソオビアシブトクチバなどの、イモ虫類の仕業です。
初夏から秋にかけて、よく発生します。

発生しやすい時期

発生しやすい時期:表

春の開花あたりから、秋まで注意が必要です。

予防と治療

5月から「オルトラン」と「スミチオン」を交互に散布します。風の強い日(薬品が飛散するため)と気温が高い時間帯(薬害が出やすくなるため)は避けます。

イモ虫類は、大きくなると薬品が効きにくくなりますので、見つけたら捕殺が一番有効です。ひと目で見当たらなくても、葉などに食害の跡があったら、葉裏をすべてチェックしてください。
ヨトウムシは「夜盗虫」と書き、昼間は土の中にもぐっていて、夜活動して葉やツボミを食い荒らします。
夜、懐中電灯を手に葉や幹を探すと、見つけることもできます。

カミキリムシ

「カミキリムシ」を見かけたら株元をチェック

枝が折れるようにしおれて干からびていたら、カミキリムシの成虫の食害かもしれません。
しかし、本当に注意しなければいけないのは、カミキリムシの産卵です。
カミキリムシはバラの幹の中に卵を産み付ます。孵化した幼虫は1~2年間樹木の中にいて、枝や幹の内部が空洞になるほど食べつくします。
株元近くにノコギリくずのような木くずが出ていたら、それはカミキリムシの幼虫のふんです。そこを侵入口として産卵した可能性が高いです。

発生しやすい時期

発生しやすい時期:表

春の開花あたりから、夏まで注意が必要です。

予防と治療

成虫を見つけたら捕殺します。もし株元にカミキリ虫が侵入した痕跡を見つけたら「キンチョールE」が有効です。
ノズルが付いていますので、それを穴に挿し込み、吹き付けて卵や幼虫を殺虫します。

カイガラムシ

枝や幹についた白い殻は「カイガラムシ」です。

枝や茎に白いかたまりがあったら「カイガラムシ」を疑って!この虫は、樹液を吸います。古い樹に付きやすいです。

発生しやすい時期

発生しやすい時期:表

通年注意が必要です。

予防と治療

薬剤が効かないので、歯ブラシなどでこすり落とします。

ブログへ